「腎虚肺虚は経絡の状態のことだと思うのですが、どういう状態のことを言っているのですか」と町会長。

「肺虚腎虚であれば、経絡治療を勉強した人は理解しやすいと思いますが、腎虚肺虚という考え方には抵抗があると推定しています。」

「猫は肺が弱いので、肺虚腎虚になって頭が固くなり、鬱になると言うことでしたね」と町会長。

「おっしゃる通りです。腎経は肺経と連動していて、肺経が虚すと腎経が虚すので肺虚腎虚という状態になります。」

「腎虚肺虚は、経絡が反対回りに連動するという現象でしょうか」と町会長。

「経絡が反対回りに連動するようなことがあれば、経絡が緩んで、若返ってしまいます。」

「経絡が反対回りに連動するようなことはないのですね」と長会長。

「先ほど話したように、肝→心→脾→肺→腎→肝→心→脾→肺の順番で一つの経絡が虚すと、次の経絡が次々と虚します。例えば、足のねん挫で肝経が虚すと、次に心経が虚し、次に脾経が虚すというように、次々と連鎖して経絡が虚して、一回りして、再び肝経が虚します。」

「なるほど。肺虚腎虚になって一回りすると、再び肺虚になるので、肺虚腎虚と区別して腎虚肺虚というのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。実際には、腎虚で肋骨が固くなり、可動性が低下するので、肺の可動性が低下して肺の機能が低下します。腎虚が原因で肺虚になるので腎虚肺虚と呼んでいます。」

「どういう実験をすれば、腎虚肺虚が確認できるのでしょうか」と町会長。

「先ほど言ったように、腎兪と盲兪と踵を緩めれば、腎臓の機能が上がります。すると、肋骨が緩んで肺の機能が上がります。」

「なるほど。40歳になると腎臓の機能が20パーセント低下し、肋骨が固くなって可動性が低下すると、肺の機能も低下してしまうのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「高齢者になると腎臓の機能が50パーセントも低下しているので、肺の機能も大きく低下しているということですよね」と町会長。

「おっしゃる通りです。コロナウイルスで亡くなる人が高齢者に多いことから、高齢者の肺の機能の低下は明確です。」

2020/1/31